今後の日本学習支援学会の活動について

2005年3月に日本リメディアル教育学会(The Japan Association for Developmental Education / JADE)が設立された。高等教育のユニバーサル化により、日本の多くの大学が、新入生に対して中等教育の学習内容の学び直し教育を実施する中、学生の学力の分析方法、さらには効果的な学習指導方法などの開発・普及を目的とした、実践的あるいは理論的な研究がJADEに求められていた。大学入試の多様化、入学決定時期の早期化が進んだことにより、入学前の準備教育の提供が進み、これもJADEの研究領域となった。
研究の進展とともに、ユニバーサル段階に達した日本の大学教育には多様な教育ニーズがあり、教員と職員が協働して応えなければならない新たな課題が山積していることも判明した。「リメディアル教育」=「学習・学修支援」と定義し、JADEは活動領域を拡大させてきた。同時に、学び直しのイメージが定着しているリメディアルよりも Student Successを追求する学会となるべきという声も数多くあがり、2026年4月1日に学会名称を日本学習支援学会(The Japan Association for Student Success / JASS)に変更した。
会員による実践報告と理論面の研究は、研究大会および学会誌などに発表され着実に蓄積されつつある。Student Success に導く学習支援の内容・方法、さらにそれらの成果の検証に関わる研究活動を今後も推進していく。
(1) 各大学が実施している入学者の学力把握、学び直し教育についてのデータの収集と整理。またその適切な調査方法の研究。
(2) 学力的に課題をもつ学生について、その原因の究明を進めるとともに、課題をもつ学生が入学前あるいは入学後の初期段階で、いわゆる学習習慣を身に付けて大学教育に適応するように支援する方法の研究開発。
(3) 大学における課題発見、課題解決のための学習方法、つまり自ら進んで学習する自律した学習者としての学生を育てるための支援方法の研究開発。
(4) 学習支援を推進する組織作りや体制の構築、教職協働および学生を活用した支援方法の研究。
(5) 学習支援の時系列的国際的連携についての研究。初等中等教育との接続や、生涯学習へのレディネスも視野においた学習支援方法の研究開発。学力不振学生への学習支援について海外学会と情報共有を進めて共同研究。

なお以上の方向性を踏まえ、Student Success に導く学習支援に関する研究を進めている団体・個人との建設的な協力関係の構築に努め、大学教育の改善と発展に寄与する研究成果を提供することに努めるものとする。また学会活動のいっそうの活性化を図るため、委員会組織や諸部会の構成などを不断に見直していく。

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